スカンジナビア半島の古いことわざに
「悪い天気というものはない、服が悪いだけだ。」
というものがある。
天気が悪いのではなく、天候に対して着ている衣服が不適切なだけということだ。
スウェーデンでは季節によっては晴れた日も少なく、雨の日でも、マイナス20度の真冬日でも、森での外遊びは行われ、学校行事でも“雨天中止”というものがないそうだ。
この言葉は、森や山で過ごす私たちにとって、とてもしっくりくるものだ。
雨が降ってくれば、レインウェアを着ればいい。
(着れば、雨の中遊べる!)
雪の日は、スキーウェアを着て寒くないようにする。
(着れば、雪遊びができる!)
そして森のようちえんの子どもたちは、お天気に詳しい。
「今日は午後から雨って天気予報が言ってたー。」
「富士山に傘雲があるねぇ。」
「雨の匂いがしてきたぞ。」
「もくもく雲が大きくなってきたから、きょうもかみなりさんが来るよ。」・・・
毎日空と雲と太陽と暮らす彼らには、ごく自然に身についてくるスキルだ。
梅雨の頃は特に天気とにらめっこの日々だが、決して雨をひどくネガティブに捉えることはない。
もちろん時に感じる煩わしさ、厳しさも知っているが、
それを上回る気持ちよさ、楽しさ、うれしさを、身をもって知っているからだ。
どんな状況もまず受け入れる。そして、感じる。対応する。
経験というものによって、許容範囲、行動範囲、その子独自の世界が広がっていく様子をみるのはこの上ない喜びだ。
ひだまり 水たまり 雨宿り
子どもは風の子 天気の子
お天道様に愛された子たちと、めぐる季節、かわるお天気をたどる毎日は実に楽しい。
「こんなに汚してー!」と言っていたお母さんたちも、いつの間にか「あ、洗えばいいだけか!」「きょうもたっぷり楽しんだんだね。」と。
毎日のお洗濯とおおらかな愛に深く感謝する雨の季節。
森のようちえんにっこにこ